屋根の高圧洗浄の重要性とは?基礎知識と注意点まとめ l塗り達
2024年6月28日 公開
屋根塗装の際に行う高圧洗浄は、塗装工事の耐久性を左右するとても重要な工程です。

「高圧洗浄は必須!」「とても重要!」といわれてもなじみがないためピンとこない方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は屋根塗装における高圧洗浄の基礎知識と注意点をまとめて解説します。これから屋根塗装を控えている方もぜひ最後までお読みください。
目次
高圧洗浄とは
高圧洗浄とは、高い水圧で洗い流す洗浄方法で、業務用の高圧洗浄機を使用します。

家庭でも使える家庭用高圧洗浄機もありますが、屋根の高圧洗浄で使う機械はもっと水圧が高く、汚れだけでなく塗膜も洗い流します。
高圧洗浄機の水圧の高さはmpa(メガパスカル)という単位であらわされ、数字が大きくなるほど水圧も高くなります。
業務用で使われる高圧洗浄機は、10~30mpaくらいで、場所や用途に応じて使い分けています。
家庭用の高圧洗浄機の場合は、6~最大12mpaくらいのものが主流です。
| 10~12mpa | スレート、モニエルの洗浄、散水、道路の清掃など |
|---|---|
| 13~15mpa | 床面の汚れ、ブロック塀、擁壁などの洗浄 古く密着していない塗膜の剥離など |
| 30mpa | リシン、吹付タイルなどの剥離 |
屋根の高圧洗浄はなぜ必要?
屋根の高圧洗浄は塗装前に必ず行われます。その理由は古い塗膜をはがして素地調整をする必要があるからです。
古い塗膜は、粉状になり屋根の上に付着しているだけの状態(チョーキング現象)になっています。

この上から新しい塗膜を付けようとしても、下地に汚れがついているような状態のため、うまく密着せず施工不良を起こすことがあります。また屋外にあるため砂や鳥糞などの汚れも付着しているため、塗装前にきれいにすることが必要なのです。
屋根の高圧洗浄の種類
屋根の高圧洗浄は、水圧の高さだけではなく、状態に応じて数種類を使い分けています。
トルネード洗浄

水がトルネード(渦)になって発射される高圧洗浄の方法です。ノズルを変えることでトルネード洗浄ができます。
モニエル瓦の場合、汚れだけでなくスラリー層と呼ばれるセメントなどを混ぜた着色層を完全の除去してから塗装を行う必要があります。スラリー層は、普通の塗膜に比べて厚みがあるため普通脳高圧洗浄ではきれいに落ちにくく、トルネード洗浄が必須です。
バイオ洗浄
コケやツタなどで屋根が覆われているような場合は、水圧だけではなくバイオ洗浄剤を使って根こそぎきれいにする方法です。
同じくコケやツタなどの植物がある状態で塗装を行っても施工不良が起きてしまいます。普通の洗剤をかけてしまうと、洗剤成分の洗い残りが原因で施工不良を起こすこともあるため、塗装工事の場面でどうしても水圧だけで落ちないという場合はバイオ洗浄を行うケースが多いでしょう。
屋根の高圧洗浄の際の注意点
屋根塗装工事の際の高圧洗浄にはいくつか注意点があります。
洗濯物を外干ししない
屋根の高圧洗浄時には、当然屋根の上で水を使います。養生は行うものの、水圧が高い水が屋根にあたるため飛散することは避けられません。
ご自宅だけではなくお隣の物干しが近い場合など配慮が必要です。
あまりにもろくなっている屋根の場合破損の危険がある
屋根塗装を行う際には、塗膜が劣化し屋根そのものがもろくなっていることが考えられます。塗装でメンテナンスを行える範囲の劣化だからこそ工事をするのですが、中には部分的に非常にもろくなっていて水圧に耐えられず破損してしまうことも考えられます。
スレートなどの場合部分的な差し替えもできますが、あまりに劣化がひどい場合は無理に塗装工事をせず葺き替えやカバー工法などの屋根工事も検討しましょう。
アスベストが含まれている場合飛散の可能性がある
屋根材の中にはアスベストが含まれているものが現存しています。
アスベストが使われている屋根材は非常に丈夫で、20年以上経って塗装の際にアスベストが含まれている屋根材ということが判明するケースも。
現在アスベストが含まれている製品は販売されていませんが、現役で使用しているものには撤去の義務がないため、塗装して使用を続けることは可能です。
但し、高圧洗浄の際にアスベストが飛散する恐れがあるため、対策して工事に臨む必要がります。
※アスベストの撤去には別途必要な手順と費用がかかります。
詳しくはこちら
国土交通省 アスベスト安全対策
一口に高圧洗浄といってもただ水で洗い流しているわけではなく、耐久性の高い屋根塗装工事を行うために必要不可欠な工程です。
正しい施工ができる業者を選んで、屋根塗装工事を行ってくださいね。









