防水工事の絶縁工法とは?特徴やメリット、密着工法との違いも解説
2025年9月23日 公開
防水工事の絶縁工法を知っていますか?
防水工事は雨の侵入を防いでくれる防水層を作る工事ですが、状態によって施工方法を変える必要があります。
なぜ変える必要があるのか、またそれはどんな方法なのか?疑問に思う方もいらっしゃると思います。
今回は防水工事の絶縁工法について解説します。
目次
絶縁工法とは
防水工事の絶縁工法とは、下地と防水層が直接干渉しないように絶縁シートなどを間に入れて施工する方法です。
絶縁工法では、下地から防水層が浮いた状態で作られます。工事によっては通気緩衝工法と呼ばれることもあります。
下地に直接防水層を付ける密着工法と区別されます。防水工事は大きく密着工法と絶縁工法の2つに分けられます。
▲密着工法で施工しているウレタン塗膜防水
絶縁工法の施工方法
絶縁工法の施工方法は次ぎん通りです。ここではウレタン塗膜防水の絶縁工法で解説します。
下地処理
最初に既存防水層をはがしたり、清掃したりして下地処理を行います。
絶縁シート敷設
次に絶縁シートを敷設します。
ウレタン1層目
シートの上から液状ウレタンを塗装します。液状ウレタンが乾いて硬化すると防水層になります。
ウレタン2層目
ウレタン塗装2層目です。
トップコート
ウレタン防水層は紫外線に弱いためトップコートを塗ります。
完成
完成しました。
絶縁工法では、このような脱気筒と呼ばれる湿気を逃がす装置を付けます。
防水層の下にたまった湿気を逃がし、膨れやはがれを防止する機能があります。
脱気筒の設置は次項から解説する絶縁工法のメリットと深いかかわりがあります。
▶脱気筒について詳しい解説はこちらの記事もご覧ください。
絶縁工法のメリット
絶縁工法は、下地に直接防水層を作る密着工法に比べると、絶縁シートを敷いたり脱気筒を取り付けたりと手間のかかる施工方法です。しかし、それだけのことを行うメリットが絶縁工法にはあります。
下地の干渉を受けない
絶縁シートの上に防水層が作られているため、万が一下地にひびなどが入っても防水層には響きません。
下地がコンクリートなど場合亀裂が入りやすく、直接防水層を作っていると、もろとも傷が入ってしまいそこから雨漏りする原因になります。
絶縁シートががあるおかげで、下地の干渉を受けず、防水層を安定した状態で保つことができます。
下地からの湿気を逃がす
絶縁工法で施工すると、下地から上がってくる湿気を防水層の外へ逃がすことができるようになります。
この時に湿気を逃がす役割を担っているのが脱気筒です。
防水層は上から降ってくる雨を防ぐことができ、またそれが目的で施工するものですが、同時に下地からの湿気を逃がすこともできません。下地からの湿気とは既存の防水層の劣化によって吸い込まれていた雨水の事です。時間が経つといずれ蒸発していくわけですが、新しい防水層で上からがっちり蓋をしているような状態ですと、蒸発した湿気が逃げられなくなり、防水層を押しあげて膨れ等の原因になってしまいます。
防水層が膨れると、その部分から破れて劣化しやすくなり補修も必要になります。
あらかじめ絶縁工法で脱気筒を設置していると、下地から水蒸気が上がってきても逃がすことができるため、膨れが起こりにくくなるのです。
雨漏りしている下地でも施工できる
下地に雨水が吸い込まれているということは、雨漏りを起こしている状態ということです。
そのため、雨漏りしている場所への防水工事は絶縁工法が用いられます。
雨漏りしているのに密着工法でぴったり下地に防水層をくっつけて作ってしまうと、膨れ等施工不良の原因となります。
防水工事のご相談は塗り達!
防水工事は施工自体も大切ですが、下地の状態を見極めて適切な施工方法を選ぶことがまずは重要です。
雨漏りしている状態なら密着工法では施工不良となってしまうため、絶縁工法を選択し施工する必要があります。
まずは現在の状態を正確に把握し、施工が可能なプロの施工店にご相談ください。
防水工事のご相談は塗り達までお気軽にご連絡ください。