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外壁・屋根の塗装を始める前に知っておきたい7つの準備ポイント

塗装の豆知識 2025.08.28 (Thu) 更新

~後悔しないために!工事前に知っておきたい大事なこと~

家の外壁や屋根の塗装を検討しているけれど

「何から始めればいいのか分からない…」という方は多いのではないでしょうか?

今回のブログでは、塗装工事の前に知っておくべき準備や注意点を、7つのステップに分けてわかりやすくご紹介します。

① まずは「塗装が本当に必要か」をチェックしよう

〜家のSOSを見逃さない!こんな症状が出ていたら要注意〜

外壁や屋根は、日々、雨・風・紫外線・気温の変化など、過酷な環境にさらされています。

そのため、見た目にはキレイに見えても、知らないうちに少しずつ劣化が進んでいることが多いのです。

「まだ大丈夫」と思っていても、以下のような症状が出ていたら、そろそろ塗装のタイミングかもしれません。

✅ チェック①:外壁を手で触ると白い粉がつく(チョーキング現象)

【 現象 】

外壁を軽くなでたときに、手に白っぽい粉がつく状態です。

【 原因 】

塗膜(塗料の膜)が紫外線などで劣化し、表面が粉状になっているサインです。

【 注意点 】

・見た目がきれいでも、防水性が低下している可能性あり

・このまま放置すると、雨水が壁の中に染み込み、内部から傷むリスクも

【 対処目安 】

→ チョーキングが起きていたら、塗装の効果が切れ始めていると判断し、早めのメンテナンスがおすすめです。

✅ チェック②:壁にヒビ(ひび割れ)がある(クラック)

【 現象 】

外壁に細いスジ状のヒビが入っている。場所によっては深く、目立つヒビも。

【 原因 】

乾燥・地震・建物の動きによって起こります。塗膜が硬くなっている場合も原因です。

【 注意点 】

・ヒビから雨水が侵入し、壁の中が腐食するおそれあり

・放置すると、内部の断熱材や木部にカビやシロアリ被害が起きることも

【 対処目安 】

→ 小さなヒビでも、幅0.3mm以上のクラックがある場合は要注意。

塗装前に補修が必要になるケースもあるため、専門業者にチェックしてもらいましょう。

✅ チェック③:外壁や屋根の色あせ・ツヤ消え

【 現象 】

塗装直後のツヤがなくなり、色が全体的にくすんできたように見える。

【 原因 】

紫外線や風雨によって、塗料の顔料が分解されて退色してしまうため。

【 注意点 】

・色あせは劣化の初期サイン。防水性が落ち始めている可能性あり

・塗料の性能(遮熱、防汚など)も低下している可能性があります

【 対処目安 】

→ 外観の美観を保ちたい方や、10年以上塗り替えていない場合は検討のタイミングです。

✅ チェック④:苔・カビ・黒ずみが目立つ

【 現象 】

特に日当たりの悪い北面や、屋根の一部に「緑っぽい苔」「黒いスス汚れ」のようなものが付着している。

【 原因 】

湿気や水分がたまりやすい場所に、空気中の胞子が付着して繁殖。

塗膜の防水・防汚性能が落ちている証拠でもあります。

【 注意点 】

・見た目が悪いだけでなく、素材の劣化を進める要因にも

・放置すると、カビ臭やアレルギーの原因にもなりかねません

【 対処目安 】

→ 洗浄だけでは根本解決にならない場合も。

塗膜の機能が失われているので、塗り替えと防カビ対策塗料の検討がおすすめです。

✅ チェック⑤:雨漏り・室内の天井や壁にシミがある

【 現象 】

屋根裏や天井に「濡れた跡」や「茶色っぽいシミ」がある。

壁のクロスが浮いている、めくれている、などの症状も。

【 原因 】

外壁や屋根の防水層が劣化し、雨水が建物内部に侵入している状態。

【 注意点 】

・ここまで進行している場合、塗装だけでなく補修・改修が必要なケースも

・構造部分の劣化が進行していると、工事費用が高くなる傾向があります

【 対処目安 】

→ 雨漏りが起きている=塗膜が完全に役割を果たしていない状態。

なるべく早めに専門業者の点検・診断を受けましょう。


🔍【セルフチェックまとめ】

お家の外壁・屋根にこんな症状ありませんか?

これらの症状があるなら、塗装によるメンテナンスが必要なタイミングかもしれません。

症状劣化のサイン対応目安
手に白い粉がつくチョーキング(塗膜劣化)塗装の効果が切れてきた
壁にヒビがあるクラック(雨水侵入のリスク)早期補修+塗装が必要
色があせている紫外線による退色見た目+性能低下のサイン
苔・カビがついている防汚性能の低下・湿気の多い環境再塗装+防カビ対策
雨漏り・天井にシミがある防水機能の完全劣化早急に点検・修繕

☑「うちはどうだろう?」と思ったら…

塗装が本当に必要かどうかを判断するには、実際にプロの目での診断が一番確実です。

多くの塗装業者では、無料の外壁・屋根点検サービスを行っていますので、気になる方はまず点検を受けてみるのがおすすめです。

早めの判断が、結果的に家を長持ちさせ、余計な修繕費を防ぐことにもつながります。

② どんな塗装工事をするか目的をはっきりさせよう

塗装工事と一口に言っても、「なぜ塗装をするのか」という目的によって、選ぶ塗料や工事の内容が大きく変わります。

目的を明確にすることで、業者との打ち合わせもスムーズになり、後悔のない工事につながります。

たとえば、以下のようなケースがあります。

家の見た目をきれいにしたい場合

 外壁や屋根の色は、住まいの印象を大きく左右します。色選びでは周囲の景観やご家族の好みも大切ですが、汚れが目立ちにくい色や、明るさによる膨張・収縮の視覚効果なども考慮すると、仕上がりに満足しやすくなります。

雨漏りを防ぎたい場合

 外壁や屋根の劣化が進むと、ひび割れや隙間から雨水が侵入するリスクが高まります。                              この場合は、防水性に優れた塗料を選ぶことが重要です。特に屋上やベランダの防水工事をセットで行うと、建物全体の耐久性を高められます。

長持ちする塗装にしたい場合

 「できるだけ塗り替えの回数を減らしたい」という方には、フッ素塗料や無機塗料といった高耐久の塗料が適しています。初期費用はやや高くなりますが、塗り替え周期を長くできるため、長期的にはコスト削減につながるケースも多いです。

夏の暑さ対策をしたい場合

 近年人気が高まっているのが遮熱塗料です。                                               太陽光を反射して屋根や外壁の表面温度を下げ、室内の温度上昇を抑えてくれる効果があります。                        エアコンの使用を減らせるため、光熱費の節約にもつながります。

このように、「見た目重視」なのか「耐久性重視」なのか、「快適さを求める」のかで、最適な塗料や工事のプランは変わってきます。

まずは「何のために塗装をするのか」を家族で話し合い、目的を明確にすることが、塗装工事を成功させる第一歩です。

③ 信頼できる塗装業者を選ぶコツ

塗装工事は、数十万円から百万円以上かかることもある大きな買い物です。だからこそ、安心して任せられる業者を選ぶことが何より大切です。業者選びに失敗すると「工事後すぐに不具合が出てしまった」「思っていた仕上がりと違った」といった後悔につながりかねません。そうならないためにも、次のポイントをしっかりチェックしましょう。

業者選びのチェックポイント

地元での実績があるか?

 地域で長年実績を積んでいる業者は、その土地の気候や建物の特徴をよく理解しています。たとえば、滋賀なら湿気の多い気候や冬の積雪を考慮した提案ができる業者が安心です。地元に店舗やショールームを構えているかどうかも信頼性の目安になります。

訪問営業ではなく、自分で調べて連絡できるか?

 突然訪問してくる営業は注意が必要です。「今すぐ工事しないと危険です!」など、不安をあおって契約を急がせるケースも少なくありません。信頼できる業者は、こちらから問い合わせをしたときに丁寧に対応してくれます。まずはインターネットや口コミで調べて、自分から連絡を取るのがおすすめです。

見積もりが詳しくてわかりやすいか?

 信頼できる業者は「どの部分に、どの塗料を、何回塗るのか」を明細でしっかり提示してくれます。逆に「外壁塗装一式」など大雑把な見積もりは、後で追加費用が発生するリスクがあります。見積書の内容を細かく説明してくれる業者を選びましょう。

口コミや施工事例はあるか?

 実際に工事を依頼したお客様の声や、写真付きの施工事例は大きな判断材料になります。公式サイトやGoogleマップの口コミ、地元の評判などを参考にしましょう。できれば「施工中の様子」や「工事後のアフターサービス」についても紹介している業者が安心です。

質問に丁寧に答えてくれるか?

 こちらの疑問や不安に対して、専門用語をかみ砕いて説明してくれる業者は信頼できます。逆に「そんなの心配しなくて大丈夫ですよ」と曖昧な返事をする業者は要注意です。納得できるまで質問できる雰囲気かどうかも大事なポイントです。

ワンポイントアドバイス

相見積もりは2〜3社に相談するのがおすすめです。

複数の見積もりを比較することで、工事内容や価格の妥当性が見えてきます。「極端に安い業者」「説明が不十分な業者」は避け、安心できる会社を選びましょう。

④ 塗料の種類と特徴を知っておこう(ざっくりでOK)

塗装工事で使用される塗料には、いくつかの種類があります。

それぞれ「耐久性」「価格」「機能」が異なり、どの塗料を選ぶかによって工事費用や塗り替え周期が変わります。

まずは代表的な塗料の種類と特徴をざっくり知っておきましょう。

塗料の種類耐久年数の目安特徴
シリコン塗料約10〜15年コストと耐久性のバランスが良く、現在もっとも人気。色や種類も豊富で選びやすい。
フッ素塗料約15〜20年高耐久で長持ちするため、塗り替え回数を減らせる。光沢感も長持ちするのが特徴。
無機塗料20年以上紫外線に強く、最高クラスの耐久性を誇る。価格は高めだが、長期的に見るとコスパ◎。
遮熱塗料太陽光を反射して、屋根や外壁の表面温度を下げる。夏の暑さ対策・光熱費削減に効果的。

塗料の選び方のヒント

費用をできるだけ抑えたい

  → シリコン塗料がバランスよくおすすめ。

できるだけ長く持たせたい

  → フッ素や無機塗料を検討。長期的には塗り替え回数が減り、結果的にお得になる場合も。

夏の暑さが厳しい地域に住んでいる

  → 遮熱塗料を選ぶと室内の快適さがアップし、冷房費の節約にもつながる。

どの塗料がベストかは、「お住まいの環境」や「ご希望の予算」によって変わります。

たとえば、沿岸部の家は塩害に強い塗料を選んだ方がよく、交通量の多い道路沿いでは排気ガスによる汚れが目立ちにくい塗料がおすすめです。

事前にこうした基本的な知識を押さえておくと、業者から説明を受けるときも理解しやすく、納得のいく選択ができます。

⑤ 色選びは慎重に!見本だけで決めない工夫

外壁や屋根の塗料の色は、家の印象を大きく左右する大切な要素です。

色選びを失敗すると「イメージと違った」「思ったより汚れが目立つ」など、仕上がりに不満を感じてしまうこともあります。

長く住む家だからこそ、慎重に選びたいポイントです。

色選びの注意点

小さな色見本よりも、A4サイズ以上のサンプルで確認を

 カタログに載っている小さな色見本だけでは、実際の仕上がりをイメージしにくいものです。

 A4サイズ以上の大きなサンプルを取り寄せて、壁に当てながら確認することで、より実際に近い印象をつかめます。

日光の当たり方で色が変わるので、屋外でチェック

 同じ色でも、日中の直射日光・夕方の西日・曇り空などで見え方が変わります。

 室内の照明だけで判断せず、必ず屋外でチェックしてみましょう。

濃い色は熱を吸収しやすく、色あせが早いことも

 黒や濃紺などの色はスタイリッシュで人気ですが、夏は熱を吸収しやすく、表面温度が高くなります。

 また、紫外線による色あせも目立ちやすいため、メンテナンス周期が短くなる場合もあります。

汚れが目立ちにくい色(グレー・ベージュ系)も人気

 ホワイトは清潔感があり人気ですが、汚れやコケが目立ちやすいのが難点。

 その点、グレーやベージュ系の色は汚れが目立ちにくく、落ち着いた印象を与えてくれるため、多くの方に選ばれています。

シュミレーションを活用しよう

最近では、パソコンやタブレットを使って「塗装後の家の完成イメージ」をシミュレーションできる業者も増えています。実際の家の写真に色を合成して確認できるため、完成後のイメージがつかみやすく、色選びの失敗を防げます。

⑥ ご近所へのあいさつと、生活への影響も想定しよう

塗装工事は、外壁や屋根を美しく守るために欠かせないものですが、同時に「生活への影響」や「近隣への配慮」も必要になります。足場の設置や塗料のにおいなど、多少なりとも普段の生活に支障を感じる場面があるため、あらかじめ知っておくことが大切です。

工事中に考えられること

足場や養生で窓が開けづらくなる

 塗装中は、飛散防止ネットやビニールシートで建物全体が覆われます。そのため、窓やベランダが一時的に使いにくくなり、換気もしづらくなることがあります。事前に「換気のタイミング」を業者に確認しておくと安心です。

作業時間中は多少音がする

 足場の設置・解体時や高圧洗浄、道具を使う作業では音が発生します。特に小さなお子様や在宅ワーク中の方は気になることもあるため、スケジュールを把握しておくとストレスを減らせます。

においが気になる場合がある

 塗料によっては独特のにおいが発生します。最近は人体や環境に配慮した水性塗料を使うケースが増えており、比較的安心ですが、それでも敏感な方や小さなお子様・ペットがいるご家庭では注意が必要です。

洗濯物は外に干せない期間がある

 塗料の付着や汚れを防ぐため、塗装期間中は外干しが制限されます。工事のスケジュールを確認し、コインランドリーや室内干しの準備をしておくと安心です。

ご近所への配慮も忘れずに

 多くの業者では、工事前に近隣のお宅へあいさつ回りを行い、「工事の内容」「工期」「想定される影響」などを説明してくれます。

とはいえ、施主様ご自身からも一言あいさつをしておくと、より印象が良くなりトラブル防止につながります。

「工事中はご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします」この一言だけでも、ご近所との関係を円滑に保てます。

⑦ 契約前にチェック!見積書と工事内容をしっかり確認

塗装工事の見積書を受け取ったら、つい「金額の安さ」ばかりに目が行きがちです。

しかし、工事の品質や後々の安心感を左右するのは、金額だけではありません。

契約前にしっかり内容を確認し、納得した上で工事を依頼することが大切です。

見積もりで確認すべきポイント

塗料の種類・メーカー名は明記されているか

 「外壁塗装一式」としか書かれていない見積書は要注意です。どのメーカーの、どんなグレードの塗料を使うのか明記されているかを必ず確認しましょう。例えば「日本ペイントのシリコン塗料」なのか「関西ペイントのフッ素塗料」なのかで、耐久性や価格は大きく変わります。

塗る面積や回数(通常は3回塗り)が記載されているか

 塗装は「下塗り・中塗り・上塗り」の3回塗りが基本です。見積書に塗布回数や面積がきちんと記載されていない場合、手抜き工事のリスクがあります。「外壁◯㎡、3回塗り」など、具体的な数字をチェックしましょう。

足場代・養生費・清掃費なども含まれているか

 塗装工事では、塗料代以外にもさまざまな費用がかかります。足場の設置・撤去費用、飛散防止ネットや養生シートの費用、工事後の清掃費などが別途請求される場合もあるため、見積書に含まれているかどうかを確認することが大切です。

保証やアフターサービスの内容は?

 工事完了後に「すぐに塗装が剥がれてきた」「雨漏りが発生した」というトラブルも考えられます。その際に備えて、保証期間やアフター点検の有無が明記されているかを必ず確認しましょう。保証書を発行してくれる業者なら安心です。

ワンポイントアドバイス

見積もり内容が「ざっくり」していたり、不明点が多い場合は、そのまま契約してはいけません。

曖昧な見積もりはトラブルの元です。わからないことは必ず質問し、納得してから契約することが大切です。

複数社から見積もりを取り、比較するのも安心につながります。

まとめ|塗装工事は「準備」が成功のカギ!

外壁や屋根の塗装は、見た目を美しくするだけでなく、雨風や紫外線から住まいを守る大切なメンテナンスです。

ただし、よく分からないまま契約をしてしまうと、「思っていた仕上がりと違った」「余計な費用がかかった」といった後悔につながることも少なくありません。

だからこそ、工事を始める前に次のポイントを意識して、しっかり準備しておくことが大切です。

今の家の状態をチェック     … 劣化状況や塗装が必要かを確認

目的や希望をはっきりさせる   … 見た目重視?耐久性重視?暑さ対策?

信頼できる業者を選ぶ      … 実績・口コミ・見積もりの明確さをチェック

塗料や色の特徴を軽く知っておく … 耐久性・機能・費用の違いを理解

工事による生活への影響も把握  … 窓・洗濯・におい・作業音など

見積もりや契約内容はしっかり確認… 塗料の種類・塗布回数・保証の有無までチェック

気になることは遠慮せず相談!  … 小さな疑問も事前に解決しておくことが安心につながる

これらを押さえておけば、塗装工事の不安がぐっと減り、納得のいく工事が実現しやすくなります。

また、ご家族と希望を話し合ったり、ご近所へ事前に声をかけておいたりすることで、工事中も安心して過ごせるはずです。

🔍 塗装工事は「ただ塗る」だけではなく、準備と確認で成功が決まります。

迷ったときは、まずは無料相談や現地調査を利用して、プロの意見を聞いてみましょう。

お住まいの状況に合わせて、最適なプランを提案してもらえるはずです。

防水工事 バルコニー 屋上
2025年10月2日 更新!

一軒家の防水工事ってどんなことをするの?

マイホームを長持ちさせるために欠かせないのが防水工事です。 屋上・ベランダ・バルコニー・外壁などは常に雨風や紫外線にさらされ、経年劣化によってひび割れや防水層の剥がれが進むと、雨漏りや構造材の腐食の原因に。 今回は、防水工事の目的や工事の種類、流れ、費用の目安までわかりやすく紹介します。 目次1. 防水工事の目的雨水の侵入を防ぎ、構造体を守る断熱・遮音の補助効果資産価値を守り、売却時にも有利2. 主な防水工法と特徴主な防水工法と特徴ウレタン防水(密着工法・通気工法)FRP防水シート防水(塩ビシート・ゴムシート)どんな人におすすめ?3. 防水工事の流れウレタン防水(密着工法・通気工法)の工事の流れFRP防水の工事の流れシート防水(塩ビシート・ゴムシート)の工事の流れ4. 費用の目安ウレタン防水(密着工法・通気工法)FRP防水シート防水(塩ビシート・ゴムシート)5. 工事を成功させるためのポイント1. 定期点検を欠かさない2. 信頼できる業者を選ぶ3. 将来計画を考慮して選択まとめ 1. 防水工事の目的 一軒家における防水工事は、建物を長く安心して使い続けるために欠かせないメンテナンスです。 屋根・屋上・ベランダ・バルコニー・外壁などは一年中、雨・風・紫外線にさらされており、時間の経過とともに必ず劣化が進みます。 ここでは防水工事が果たす主な役割を、より詳しく見ていきましょう。 雨水の侵入を防ぎ、構造体を守る 最大の目的は「雨水から家を守ること」 ひび割れや防水層の剥がれがあると、わずかな隙間から雨水が侵入し、屋根下地や外壁内部の木材・鉄骨を腐食させます。 腐食やサビが進むと… 柱や梁など建物の構造体が弱くなり、耐震性の低下や白アリ被害の誘発など重大なトラブルにつながります。 早期対策がコストを抑える 小さなクラック(ひび)の段階で防水補修を行えば数万円〜数十万円で済むこともありますが、内部腐食まで進行すると下地交換や大規模な補強が必要となり、数百万円規模の修繕費になるケースもあります。 断熱・遮音の補助効果 断熱性能 屋上やバルコニーに施工する防水層は、雨を防ぐだけでなく“薄い断熱材”としても機能します。 特に遮熱性・断熱性の高いトップコートや断熱材入り防水工法を選べば、夏は室内温度の上昇を抑え、冬は暖房効率を高める効果が期待できます。 遮音性能 防水層が雨音や外部の騒音をやわらげるクッションの役割を果たし、屋根裏や2階の生活音を快適に保つのにも役立ちます。 資産価値を守り、売却時にも有利 長期的な資産価値の維持 雨漏りや構造腐食がある住宅は、売却時の評価額が大きく下がります。 定期的な防水工事で屋根・外壁の状態を良好に保てば、資産価値を維持できるだけでなく、将来リフォームや売却を検討する際にも好条件で取引しやすくなります。 保険適用にも有利 火災保険や地震保険の水害補償では、事前のメンテナンス状況がチェックされることもあり、防水工事を定期的に実施していると万一の際にスムーズに保険適用されるケースがあります。 2. 主な防水工法と特徴 主な防水工法と特徴 ウレタン防水(密着工法・通気工法) 液体状のウレタン樹脂を下地に塗布し、乾燥後に弾力のあるゴム状の防水層をつくる工法です。 密着工法は下地に直接密着させ、通気工法は下地との間に通気シートを挟み、湿気を逃がしながら仕上げます。 メリット ・液体を塗り重ねるため、複雑な形状や段差の多い屋根・バルコニーにも継ぎ目なく施工可能。 ・施工後の補修も比較的容易で、部分的なメンテナンスがしやすい。 耐用年数:おおよそ10〜12年。定期的なトップコートの塗り替えを行えばさらに長持ち。 向いている場所:ベランダ・陸屋根・バルコニー・屋上など、複雑な形状のある箇所。 FRP防水 ガラス繊維でできたマットにポリエステル樹脂を染み込ませ、硬化させて強靭な防水層をつくります。 メリット ・非常に軽量で高い強度があり、歩行や家具の移動があるベランダやバルコニーに最適。 ・硬化が早く、施工後すぐに歩行可能なので工期が短い。 耐用年数:約10〜15年。トップコートの塗り替えを5〜7年ごとに行うと耐久性が維持できる。 向いている場所:木造住宅のベランダやバルコニーなど、比較的小面積で歩行するスペース。 シート防水(塩ビシート・ゴムシート) あらかじめ工場で成形された防水シートを屋上全体に敷き詰め、接着や熱融着で仕上げます。 メリット ・施工の均一性が高く、広い屋上や商業施設のフラット屋根など大面積に向いている。 ・紫外線や風雨への耐候性が高く、比較的メンテナンス頻度も少なく済む。 耐用年数:約12〜20年と長寿命。定期点検や部分補修をすればさらに延命可能。 向いている場所:マンションやビルなどの大規模屋上、勾配が少ない広い平面の屋根。 どんな人におすすめ? ウレタン防水 ベランダや陸屋根など、形が複雑だったり段差が多い場所がある家。 将来、部分的に補修しながら長く使いたい人。 FRP防水 ベランダやバルコニーをよく歩いたり、植物や家具を置くなど荷重がかかる使い方をしている人。 工事期間を短くしたい人。 シート防水 屋上が広い家や、フラットな大きい屋根を持つ住宅。 メンテナンスの回数をできるだけ減らしたい人。 3. 防水工事の流れ ウレタン防水(密着工法・通気工法)の工事の流れ 現地調査・見積もり 既存防水層の劣化度合いや下地の浮き、ひび割れを丁寧に診断。通気工法の場合は、下地の湿気量もチェックします。 足場設置・養生 必要に応じて足場を設置し、周囲の壁や床をシートで保護します。 高圧洗浄・下地補修 コケ・汚れ・旧塗膜を高圧洗浄で除去。ひび割れや段差はモルタルや樹脂で補修し、平滑に整えます。 プライマー塗布 下地とウレタン樹脂の密着を高める下塗り。通気工法では通気シートも敷設します。 防水層施工 液状のウレタン樹脂を2〜3回に分けて塗布し、厚みのある弾性防水層を形成。継ぎ目のない仕上がりになります。 トップコート仕上げ 紫外線や摩耗から防水層を保護する仕上げ塗装を行います。 検査・引き渡し 厚み・密着度を確認後、保証書を発行して完了。 工期目安:ベランダやバルコニーで約3〜5日、屋上全体で1〜2週間。 FRP防水の工事の流れ 現地調査・見積もり 下地の損傷や雨漏り箇所をチェック。木下地の場合は含水率も測定します。 足場設置・養生 必要に応じて足場を組み、粉塵や樹脂臭対策の養生を実施。 高圧洗浄・下地補修 表面の汚れ・油分を落とし、段差やひび割れをパテで補修します。 プライマー塗布 下地とガラスマットを密着させるための下塗りを均一に。 防水層施工 ガラス繊維マットを敷き、ポリエステル樹脂を含浸させて硬化。必要に応じて2層仕上げで強度を高めます。 トップコート仕上げ 紫外線・摩耗を防ぐ専用塗料で保護。色付きで意匠性を持たせることも可能。 検査・引き渡し 硬化状態や仕上がりを確認し、保証書を発行。 工期目安:ベランダ・バルコニーで約2〜4日。硬化が早く、施工後すぐ歩行可能な点が特徴です。 シート防水(塩ビシート・ゴムシート)の工事の流れ 現地調査・見積もり 屋上全体の勾配・排水状況・既存防水層を詳細に診断。シートを張る下地の平滑性が重要です。 足場設置・養生 大面積の屋上では安全のため足場と落下防止ネットを設置。周囲への粉塵飛散を防ぎます。 高圧洗浄・下地補修 コンクリート面の浮きやクラックを補修し、シートが密着しやすい状態に整えます。 プライマー塗布 接着剤やプライマーを塗布してシートの密着度を高めます。 防水層施工 塩ビまたはゴムシートを敷き詰め、継ぎ目を熱融着や接着で固定。広い屋上でも均一な防水層が得られます。 トップコート仕上げ(必要に応じて) シート表面の耐候性をさらに高めるため、保護塗装を行うことも。 検査・引き渡し シートの継ぎ目や端部を入念に検査し、保証書を発行。 工期目安:中規模屋上で約1〜2週間。広い面積でも仕上がりが均一で、長寿命が期待できます。 4. 費用の目安 ウレタン防水(密着工法・通気工法) ・ベランダ(約10㎡):約10〜20万円 ・屋上(約30㎡):約40〜80万円 液状の樹脂を塗り重ねる工法で、複雑な形状にも対応可能。 通気工法は下地の湿気を逃がすため、密着工法よりやや高め(+10〜20%程度)になる場合があります。 費用が変わる要因 ・下地のひび割れ・浮き補修の規模 ・通気シートや脱気筒の追加 ・トップコートの種類(耐候性や色の指定) FRP防水 ・ベランダ(約10㎡):約12〜25万円 ・屋上(約30㎡):約45〜90万円 ガラス繊維シートと樹脂を積層するため、下地がしっかりしていれば短工期で高強度。 歩行頻度が高いバルコニーや屋上に適しています。 費用が変わる要因 ・下地の木部補修や張り替え ・2層仕上げの有無(強度アップ) ・カラー仕上げや防滑仕様 シート防水(塩ビシート・ゴムシート) ・ベランダ(約10㎡):約15〜30万円 ・屋上(約30㎡):約50〜100万円 広い面積の屋上や大規模建物で採用されることが多く、耐久性が高く長寿命。 塩ビシートは耐候性が高く、ゴムシートは柔軟性に優れます。 費用が変わる要因 ・シートの種類(塩ビ>ゴムでやや高価) ・既存防水層の撤去・下地調整 ・継ぎ目処理や立ち上がり部の複雑さ コストを抑えるポイント 早めのメンテナンス:劣化が進むと下地補修費が膨らみます。 複数見積もり:同じ工法でも単価が業者によって異なります。 長期保証の確認:多少高くても保証が長いほうが長期的には安心。 まとめ ベランダは10〜30万円前後、屋上は40〜100万円前後が一つの目安。 下地の状態・面積・選ぶ工法によって費用は大きく変わります。 ウレタンは柔軟で価格バランスが良く、FRPは強度と硬化スピードに優れ、シート防水は広面積で長寿命。 自宅の構造や使用環境、予算に合わせて工法を選ぶことが重要です。 5. 工事を成功させるためのポイント 1. 定期点検を欠かさない 防水層は10年前後から紫外線や風雨の影響で劣化が始まります。 早期補修のメリット 小さなひび割れや膨れを放置すると、雨水が下地へ浸透して木材や鉄骨が腐食し、結果的に大掛かりな補修が必要になります。 おすすめ点検時期 屋上・ベランダは5年に1回の目視点検、異常がなくても10年目を目安に専門業者へ診断を依頼すると安心。 工法別の劣化サイン ・ウレタン:表面の艶消え、細かいクラック ・FRP:白化やガラス繊維の露出 ・シート防水:シートの浮き・継ぎ目の剥がれ 2. 信頼できる業者を選ぶ 防水工事は施工品質で耐用年数が3〜5年以上変わることもあります。 必ず確認したい項目 ・建設業許可や防水技能士などの資格・登録 ・施工実績(同規模のベランダ・屋上など) ・保証内容:10年保証など、工法に合った保証期間 見積もりチェックポイント ・下地補修・廃材処分・足場費などすべて明記されているか ・工法別の材料・施工手順・トップコート仕様が具体的に記載されているか 注意点 極端に安い見積もりは要注意。材料を薄く塗る、乾燥時間を守らないなどの手抜きが後々雨漏りを引き起こします。 3. 将来計画を考慮して選択 防水工事は10〜20年単位で家の資産を守る工事。将来のライフプランも踏まえましょう。 太陽光パネルの設置予定 パネル架台の固定方法によっては、防水層に穴を開ける必要があります。施工前に必ず業者へ相談し、補強や専用金具を提案してもらいましょう。 屋上利用の計画 ルーフバルコニーを庭やテラスとして使いたい場合は、人の歩行に強いFRP防水や、厚膜仕上げのウレタン防水が有利です。 断熱・省エネ対策 断熱材付きシート防水などを選ぶと冷暖房効率が上がり、光熱費の節約につながります。 まとめ ベランダや屋上の防水層は、紫外線や雨風にさらされ10年前後で劣化が始まると言われます。 「まだ大丈夫」と放置すると、雨漏りや木部・鉄骨の腐食が進み、結果的に大規模で高額な修繕が必要になることも。 だからこそ定期点検と早めのメンテナンスが何より重要です。 防水工事には大きく分けて以下の3つの工法があります。 【 ウレタン防水 】液状の樹脂を塗り重ねるため、複雑形状や細部にも対応でき、コストと柔軟性のバランスが良い。 【 FRP防水 】ガラス繊維シートを用いた高強度タイプ。小規模ベランダや歩行頻度の高いバルコニーに最適。 【 シート防水 】塩ビ・ゴムシートを敷設する工法で、広い屋上におすすめ。耐久性が高く、長期メンテナンスの負担を減らせます。 費用や施工期間、下地補修の有無は工法・建物の条件・使用目的によって大きく変わります。 複数社から見積もりを取り、資格や保証内容を確認した信頼できる業者に相談することが、工事成功のカギです。 防水工事を長持ちさせる3つのポイント 定期点検:5年ごとの目視確認と10年目の専門診断。 信頼できる業者選び:施工実績・建設業許可・防水技能士資格・保証を必ずチェック。 将来計画の考慮:太陽光パネルや屋上利用の有無など、ライフプランに合わせて工法を選ぶ。 大切な住まいを守るために、まずは専門店による無料点検や診断、複数見積もりを利用しましょう。 家の現状とライフスタイルに合った工法を選べば、10年以上安心して暮らせる防水性能を維持できます。 早めのメンテナンスが、将来の大きな出費を防ぐ一番の近道です。

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2025年9月19日 更新!

一軒家の外壁塗装ってどんなことをするの? 工事の流れとポイントを解説

マイホームを長持ちさせるために欠かせない「外壁塗装」 でも、「一軒家の塗装って具体的にどんな作業をするの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。 今回は、外壁塗装工事の基本的な流れと知っておきたいポイントをわかりやすくご紹介させていただきます。 目次1. 点検・現地調査調査で行う主なチェック内容調査の流れ事前に準備しておくといいこと知っておきたいポイント2. 足場設置と養生足場設置の目的と流れ養生(保護シート)とは…事前にしておくと安心なこと3. 高圧洗浄高圧洗浄の目的施工の流れ事前にしておくと安心なこと知っておきたいポイント4. 下地処理(補修)主な補修・下地調整の内容施工の流れ事前にしておくと良いこと知っておきたいポイント5. 下塗り・中塗り・上塗り下塗り(プライマー・シーラー)中塗り(ベースコート)上塗り(トップコート)乾燥時間と品質管理色選びのコツ事前にしておくと安心なこと6. 最終確認・足場解体最終確認(完了検査)足場の解体清掃・後片付け事前にしておくと安心なこと一軒家塗装の工期目安工期の流れと目安※天候による延長塗装を長持ちさせるためのポイント1. 10年ごとの定期点検を目安に2. 色あせ・ひび割れは早期対処3. 実績のある業者を選び、複数社で見積もりを比較【 まとめ 】一軒家塗装で住まいを長く美しく守るために次の一歩は「相談」から 1. 点検・現地調査 外壁塗装の第一歩は「点検・現地調査」です。 専門スタッフがご自宅に伺い、以下のようなポイントを丁寧に確認します。 調査で行う主なチェック内容 ・外壁の劣化:ひび割れ、チョーキング(手に白い粉が付く現象)、塗膜のはがれ ・屋根の状態:瓦やスレートの割れ・欠け、板金の浮き、雨漏れの痕跡 ・付帯部の確認:雨どい、破風板、窓枠など細かい部分の劣化 ・周辺環境:日当たり・風通し・湿気の多さなど、劣化を早める要因の有無 調査の流れ 1.まず外観を目視で確認 2.必要に応じて脚立やドローンを使って屋根もチェック 3.劣化箇所を写真撮影し、後日報告書を作成 4.お住まいの状況に合わせた塗料や工法を提案し、見積もりを提示 事前に準備しておくといいこと ・建築図面や過去の塗装履歴があれば用意:塗料の種類や前回施工時期が分かると診断がスムーズ ・立ち会いの時間を確保:1〜2時間程度が目安。質問や要望を直接伝えられます ・家の周りを整理:通路や庭木まわりの荷物を簡単に片づけておくと、外壁を細かく点検しやすくなります 知っておきたいポイント ・点検・見積もりは無料で行う業者が一般的。しつこい営業をする業者は避けましょう。 ・調査後は、撮影写真や診断内容をまとめた報告書の提出があるかを確認。書面があれば他社との比較もしやすくなります。 ・不安な箇所や「雨漏れが心配」「色を変えたい」などの希望は、この時点でしっかり伝えることが大切です。 2. 足場設置と養生 外壁・屋根塗装を安全かつ高品質に仕上げるためには、まず足場の設置と養生(ようじょう)が欠かせません。 この工程は工事全体の土台となり、仕上がりを左右する非常に重要なステップです。 足場設置の目的と流れ 1.作業の安全確保 高所作業を行う塗装工事では、安定した足場が職人の命綱。 転落や道具の落下を防ぐため、強度や高さを確認しながら組み立てます。 2.仕上がりの精度向上 均一に塗装するには、職人が壁から一定距離を保ちながら作業できる環境が必要です。 足場があることで塗りムラや塗り残しを防げます。 3.組み立て手順 専門の足場業者が半日~1日かけて組立。 設置後は防護ネットを張り、塗料の飛散や工具の落下を防ぎます。 ※設置時には金属パイプを打ち込む音が出ます。  ご近所への挨拶や工事のお知らせは、着工前に業者が行うのが一般的です。 養生(保護シート)とは… 塗料が付いてはいけない場所をビニールやテープで覆う作業を養生と呼びます。 ・対象箇所:窓・玄関ドア・雨どい・エアコン室外機・植木・車など ・目的:塗料の飛び散りや汚れを防ぎ、塗り分けのラインを美しく仕上げる ・施工のコツ:テープの貼り方ひとつで仕上がりが変わるため、丁寧さが求められます。 事前にしておくと安心なこと ・駐車スペースを確保:足場資材を運ぶため、トラックが停められる場所を空けておくとスムーズです。 ・貴重品・割れ物の移動:庭やベランダの鉢植え、物干し竿などは事前に片付けておくと安心。 ・近隣への声かけ:足場組立は金属音が出るため、事前に近隣への説明があるか確認しておきましょう。 足場設置と養生は、単なる準備ではなく安全・品質・美観を守るための基礎作業。 ここがしっかりしているかどうかで、塗装の仕上がりや耐久性に大きな差が出ます。 3. 高圧洗浄 塗装前には高圧洗浄で外壁や屋根を徹底的に洗い上げます。 この工程は、塗料の密着力と耐久性を左右する“下地づくり”として非常に重要です。 高圧洗浄の目的 ・汚れやホコリの除去:砂ぼこり・排気ガスの汚れ・花粉などを落とします。 ・カビ・コケ・藻の除去:湿気の多い面に繁殖したカビやコケは、塗膜を弱らせる原因になります。 ・古い塗膜やチョーキングの除去:手で触ると白い粉がつくチョーキング現象も、塗料の密着を妨げます。 これらを残したまま塗装すると、新しい塗料がしっかり接着せず、早期の剥がれやひび割れにつながります。 施工の流れ 1.下準備 電気設備や窓周りはビニールで養生。雨どいや庭木も必要に応じて保護します。 2.高圧洗浄機で洗浄 専用の高圧洗浄機を使い、外壁・屋根・付帯部を上から下へとムラなく洗い流します。 圧力は素材に応じて調整(約10〜15MPaが一般的)し、劣化した壁を傷めないよう配慮します。 3.乾燥 洗浄後は1日以上乾燥させ、完全に水分を飛ばします。 乾燥不足は塗料の密着不良や膨れの原因になるため、とても重要です。 事前にしておくと安心なこと ・窓をしっかり施錠:水圧で水が入り込む可能性があるため、窓や換気口はすべて閉めておきましょう。 ・ベランダ・庭の片付け:洗浄水が飛び散ることがあるため、洗濯物や小物は屋内へ。 ・給湯器や外コンセントの使用を控える:作業中は水がかかる場合があるため、使用は避けた方が安心です。 知っておきたいポイント ・洗浄時はモーター音や水しぶきの音が出るため、近隣には事前に案内をしてもらうのが一般的です。 ・業者によっては「バイオ洗浄」と呼ばれる洗剤を併用する場合があり、カビ・コケの根まで除去できます。 ・洗浄だけで1日かかることもあり、十分な乾燥時間を確保しているか確認すると安心です。 高圧洗浄は一見地味ですが、塗装の持ちを大きく左右する仕上がりの決め手。 きれいな下地づくりができて初めて、美しく耐久性のある塗装が可能になります。 4. 下地処理(補修) 塗装前の下地処理は、家を長持ちさせるための“土台づくり”です。 いくら高級な塗料を使っても、下地が不十分だと早期の剥がれやひび割れの原因になります。 ここでしっかり補修することで、塗装の耐久性と仕上がりの美しさが大きく変わります。 主な補修・下地調整の内容 ・ひび割れ(クラック)の補修 幅に応じて、コーキング材や専用パテで埋め、再び同じ箇所が割れないよう補強します。 大きな亀裂の場合は、V字にカットしてからシーリング材を充填する「Vカット工法」などを行うことも。 ・目地(シーリング)の打ち替え・打ち増し サイディング外壁の継ぎ目や窓枠のゴム状の部分が劣化している場合、古いシーリングを撤去し、新しいコーキング材を充填。 ここを怠ると雨漏りや断熱性低下につながります。 ・金属部分のケレン作業とサビ止め 雨どいや鉄部の手すりなどは、ワイヤーブラシやサンドペーパーでサビや古い塗膜を削る「ケレン作業」を実施。 その後、防錆プライマーを塗布してから塗装します。 ・浮きや剥がれの補修 モルタルの浮きや塗膜の剥がれは削り落として平滑に整え、パテで平らに仕上げます。 施工の流れ 1.劣化箇所を細かく確認し、写真撮影 2.ひび割れ補修、シーリング打ち替え、金属部のケレン 3.必要に応じて下塗りの前に再点検し、平滑かつ乾いた状態を確認 事前にしておくと良いこと ・気になる症状のメモ 例えば「雨が降ったあと窓周りにシミが出る」など、気づいている不具合をメモしておくと見落とし防止になります。 ・周囲の片付け 補修場所周辺の植木鉢や小物を動かしておくと作業がスムーズです。 ・雨天時のスケジュール確認 下地処理は乾燥が重要。雨が多い時期は予定がずれることがあるため、事前に余裕をもった工期を相談しておくと安心です。 知っておきたいポイント ・下地処理は見えにくい工程ですが、塗装の耐久性に直結するため手抜きが許されない部分です。 ・見積書に「シーリング打ち替え」「ケレン作業」などの記載があるか必ずチェック。 ・工事中は実際の補修箇所を写真で残してもらうと、後から確認できて安心です。 下地処理は、いわば塗装の“基礎工事” この工程を丁寧に行うことで、仕上がりの美しさはもちろん、塗膜の寿命も大きく延びます。 5. 下塗り・中塗り・上塗り 塗装の仕上がりと耐久性を決める最も大切な工程が、下塗り・中塗り・上塗りの3回塗りです。 「同じ塗料を何度も塗るだけ」と思われがちですが、各工程には明確な役割と目的があります。 下塗り(プライマー・シーラー) ・目的:下地と塗料をしっかり密着させる“接着剤”の役割。 ・工程:素材に応じて、プライマー(サイディングやモルタル)やシーラー(吸い込み防止タイプ)を使い分けます。 ・ポイント:下塗りが不十分だと、塗膜が剥がれたり、色ムラが出やすくなります。 中塗り(ベースコート) ・目的:色と厚みをつけ、防水性と耐久性を高める。 ・工程:下塗りが完全に乾いてから、仕上げ塗料を1回目として塗布。 ・ポイント:実際に仕上がりに近い色がここで確認できるため、色味やムラを見ながら調整します。 上塗り(トップコート) ・目的:美観を整え、紫外線・雨風から外壁を守る最終仕上げ。 ・工程:中塗り後にしっかり乾燥させ、同じ仕上げ塗料をもう1回塗布。 ・ポイント:塗膜の厚みが均一になり、光沢や色が鮮やかに出ます。 乾燥時間と品質管理 各塗り工程の間には**十分な乾燥時間(通常4〜24時間程度)**が必要です。 乾燥が不十分だと塗膜の膨れやひび割れが起きやすくなるため、天候や気温に合わせて工期を調整します。 色選びのコツ ・カラーシミュレーション:実際の家の写真を使ったシミュレーションで、昼・夕方など時間帯別の見え方も確認。 ・景観との調和:近隣の建物や屋根の色も考慮して選ぶと失敗しにくいです。 ・塗料の種類:シリコン・フッ素・無機など、耐久年数や光沢の有無によって印象が変わります。 事前にしておくと安心なこと ・希望の色サンプルを共有:雑誌や写真を見せるとイメージが伝わりやすいです。 ・塗料の仕様確認:見積書に「下塗り1回・中塗り1回・上塗り1回」と明記されているかをチェック。 ・天候の確認:雨が多い季節は乾燥時間が長くなり、工期が延びる場合があります。 3回塗りは見た目を美しくするだけでなく、塗膜の強さと長持ちを保証するために不可欠。 「下塗り→中塗り→上塗り」の丁寧な積み重ねが、10年以上家を守る塗装の秘訣です。 6. 最終確認・足場解体 塗装工事の仕上げとして行うのが、最終確認と足場解体です。 工事の品質を確かめ、周囲をきれいに片付けて初めて「完了」となります。 最終確認(完了検査) 【 施工業者による自主検査 】 ・外壁や屋根の塗りムラ・塗り残しがないか ・色の均一性、光沢、塗膜の厚み ・雨どいや付帯部、サッシ周りなど細部の仕上がり ・コーキングの打ち忘れやひび割れの有無 などを細かくチェックします。 【 施主(お客様)との立ち会い確認 】 ・職人や現場監督と一緒に家の周囲を歩き、気になる点があればその場で指摘します。 ・塗料の品番や色番号が契約通りか、報告書や写真で確認すると安心です。 ・雨戸やエアコン室外機など、一時的に取り外していたものが元に戻っているかも確認します。 足場の解体 ・手順:最終確認で問題がなければ、職人が安全に配慮しながら足場を解体。 ・所要時間:一般的な住宅で半日~1日ほど。金属パイプを外す際に多少の音が出ます。 ・注意点:足場解体後に「塗り忘れが見つかった」とならないよう、足場撤去前の立ち会い確認が必須です。 清掃・後片付け ・周辺の庭やベランダに落ちた塗料片やホコリを掃き清めます。 ・養生シートや防護ネット、工具類もすべて撤去。 ・最後に雨どいの詰まりや、窓ガラスの汚れがないかを点検する業者もあります。 事前にしておくと安心なこと ・立ち会いの時間を確保:30分〜1時間ほど、チェックリストを用意するとスムーズ。 ・最終支払い前の確認:保証書や施工写真、完了報告書が揃っているか必ず受け取りましょう。 ・近隣への挨拶:足場解体時も金属音が出るため、事前に近隣への連絡があるか確認しておくと安心です。 最終確認と足場解体は、塗装工事を締めくくる品質保証の最終ステップ 立ち会い時に気になる点は遠慮なく伝え、納得の仕上がりを確認してから完了にすると、後々も安心です。 一軒家塗装の工期目安 一軒家の外壁塗装にかかる期間は、一般的な30坪前後の住宅でおよそ2〜3週間が目安です。 ただし、家の大きさや劣化状況、季節や天候によって前後することがあります。 以下は、各工程ごとの標準的な日数の目安です。 工期の流れと目安 工程 目安日数 主な内容 足場の設置 半日〜1日 作業用の足場を組み、メッシュシートを張ります。 高圧洗浄 1日 外壁・屋根の汚れや古い塗膜をしっかり洗い流します。 下地処理(補修) 1〜3日 ひび割れや目地のコーキング補修、金属部分のサビ止めなど。 養生作業 半日〜1日 窓・玄関・植栽などをビニールで保護します。 下塗り・中塗り・上塗り 4〜7日 乾燥時間をしっかり確保しながら、3回塗りで仕上げます。 最終確認・足場解体 1〜2日 仕上がりの検査・補修後、足場を撤去して清掃。 ※天候による延長 ・雨天・強風が続くと、塗料が乾燥しにくく作業が中断されるため、1〜3日程度の延長はよくあります。 ・特に梅雨時期や真冬は、工期が3〜4週間に伸びる場合も想定しておきましょう。 補足:屋根塗装・バルコニー防水工事の目安 外壁塗装と同時に行うことが多い屋根塗装やバルコニー防水工事も、工期の計画に影響します。 工事内容 目安日数 ポイント 屋根塗装 約4〜7日 高圧洗浄→下地処理→下塗り・中塗り・上塗り。外壁と同時施工なら足場を共有でき効率的。 バルコニー防水工事 約2〜4日 既存防水層の補修や下地調整後、防水材を複数回塗布し乾燥。ウレタン防水・FRP防水など工法により変動。 外壁塗装と並行して進めれば、全体工期は外壁単体より+数日程度で収まることが多いです。 【まとめ】 ・標準的な一軒家(外壁のみ):約2〜3週間 ・外壁+屋根塗装:2.5〜3.5週間 ・外壁+屋根塗装+バルコニー防水:3〜4週間程度 スケジュールには余裕を持ち、多少延びても品質を優先することが長持ちする塗装への近道です。 塗装を長持ちさせるためのポイント 外壁塗装は一度仕上げれば終わりではなく、その後のメンテナンスが耐久性を大きく左右します。 長持ちさせるための具体的なポイントを詳しく見ていきましょう。 1. 10年ごとの定期点検を目安に 一般的に外壁塗装の耐用年数は10〜15年といわれますが、環境や塗料の種類によって差があります。 5年目、10年目など節目ごとに点検を受けると、小さな劣化を早めに発見できます。 定期点検では以下をチェック ・外壁や屋根の色あせ ・塗膜の剥がれ・浮き ・コーキング(目地)のひび割れや痩せ ・雨漏りの兆候 2. 色あせ・ひび割れは早期対処 ・色あせは紫外線による塗膜劣化のサイン。放置すると防水機能が低下します。 ・ヘアクラック(細かいひび割れ)でも、雨水が入り込むと下地の腐食や雨漏りにつながる危険があります。 ・小さな補修を早めに行うことで、大規模な再塗装や下地修理を防ぎ、結果的にコストを抑えられます。 3. 実績のある業者を選び、複数社で見積もりを比較 長持ちする塗装には確かな施工技術とアフターサポートが不可欠です。 業者選びのポイント ・施工実績:同じ地域での豊富な施工例があるか ・資格・保証:塗装技能士などの資格、施工後の保証内容 ・口コミ・評判:利用者のレビューや紹介実績を確認 ・必ず2〜3社以上に見積もりを依頼して、使用塗料・工期・保証の内容を比較しましょう。 価格だけでなく、塗料のグレードや工事内容の詳細をチェックすることが大切です。 【 まとめ 】一軒家塗装で住まいを長く美しく守るために 一軒家の外壁・屋根塗装は、住まいを紫外線や雨風から守り、建物の寿命を延ばすための大切なメンテナンス工事です。 工事は次のような流れで進みます。 1.点検・現地調査 劣化状況を詳細に確認し、塗装の必要性や最適な塗料・工法を見極めます。 2.足場設置と養生 安全確保と美しい仕上がりのため、足場を組み立て、窓や植栽などを丁寧に保護します。 3.高圧洗浄 汚れや古い塗膜、カビ・コケを強力な水圧で除去し、塗料が密着しやすい下地を作ります。 4.下地処理(補修) ひび割れ補修やサビ止めなどを行い、塗装面をしっかり整えます。 5.下塗り・中塗り・上塗り(3回塗り) 接着力・耐久性・美観を高めるため、塗料を重ねて塗り、均一で強い塗膜を形成します。 6.最終確認・足場解体 仕上がりを細かく検査し、問題がなければ足場を解体。周辺清掃まできっちり仕上げて完工です。            塗装は「家を守る投資」 塗装は単に外観を整えるだけではありません。 ・雨水の侵入を防ぎ、構造材の腐食を防止 ・断熱・遮熱性能を保ち、快適な室内環境を維持 ・資産価値の維持・向上にも貢献 適切な時期に塗装を行うことで、将来的な大規模修繕を避け、トータルコストを抑えることにもつながります。 次の一歩は「相談」から 「外壁の色がくすんできた」「ひび割れが気になる」と感じたら、まずは信頼できる専門業者への相談や点検がおすすめです。 複数社で見積もりや提案を比較することで、最適な塗装プランと費用感が明確になります。 住まいを長く美しく保つために、定期的な塗装は欠かせません。 早めの点検と計画的な塗装で、大切なご自宅をこれから先も安心して守り続けましょう。  

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2025年9月12日 更新!

塗料について解説!!

初めての方へ|外壁・屋根塗装の塗料についてやさしく解説 目次はじめに塗料の役割って何?1. 建物を守る(保護機能)2. 見た目を整える(美観機能)3. 機能を付ける(快適性・付加価値)まとめ代表的な塗料の種類と特徴1. シリコン塗料2. フッ素塗料3. 無機塗料4. 遮熱・断熱塗料🎨 外壁・屋根塗装に使われる塗料【外壁用塗料】1. 水性セラミシリコン(エスケー化研)2. エスケープレミアムシリコン(エスケー化研)3. 水性クールテクトF(エスケー化研)4. 水性クールテクトSi(エスケー化研)5. プレミアム無機(エスケー化研)6. WBアートF(スズカファイン)7. バイオマス無機GR(エスケー化研)【屋根用塗料】1. エスケープレミアムルーフSi(エスケー化研)2. エスケープレミアム無機ルーフ(エスケー化研)3. クールタイトSi(エスケー化研)4. クールタイトF(エスケー化研)5. プレミアム無機ルーフ遮熱(エスケー化研)塗料選びのポイント1. 予算と耐久性のバランス2. 家の環境(立地・気候条件)3. 機能の必要性(快適性・美観維持)パターン別おすすめの塗料選び✅ コスパ重視タイプ✅ 長持ち重視タイプ✅ 快適さ重視タイプ✅ デザイン重視タイプ塗料メーカー比較 5選1. エスケー化研(SK化研)2. スズカファイン3. アステックペイント4. 日本ペイント5. オスモアンドエーデル(OSMO & EDEL)まとめ はじめに 「外壁や屋根の塗装をしたほうがいいと聞いたけれど、塗料っていろいろ種類があってよくわからない…」と感じていませんか? 実は、塗装工事の仕上がりや持ち具合は「どんな塗料を使うか」で大きく変わります このブログでは、初めての方でもわかりやすいように、外壁・屋根塗装に使われる塗料の種類や選び方を解説します。 塗料の役割って何? 外壁や屋根に塗る「塗料」は、単に色を付けて家をきれいに見せるだけのものではありません。 実は、家を長持ちさせるためのとても大事な役割を持っています。大きく分けると次の3つです。 1. 建物を守る(保護機能) 住宅は一年中、雨・風・紫外線にさらされています。 そのままでは外壁や屋根の素材が劣化し、ひび割れや雨漏れの原因になります。 塗料を塗ることで「塗膜(とまく)」と呼ばれる保護の層ができ、建材が直接ダメージを受けるのを防ぎます。 例えば… ・ 雨をはじき、外壁や屋根に水が染み込むのを防ぐ ・ 紫外線による色あせや素材の劣化を遅らせる ・ 錆びや腐食を防止する 👉 イメージすると、塗料は「家に着せる雨合羽」のような存在です。 2. 見た目を整える(美観機能) 外壁や屋根は家の印象を決める大きな要素です。 長年の汚れや色あせをそのままにしておくと、古く見えたり、暗い印象になってしまいます。 塗料を塗り直すことで、まるで新築のような美しさを取り戻せます。 さらに、色を変えることで家の雰囲気を大きく変えることもできます。 例えば: ・ 明るい色にして「清潔感」を出す ・ 落ち着いた色にして「高級感」を演出する ・ 周囲の景観に合わせて「調和」をとる 👉 塗料は「家の化粧品」のような役割を果たし、美しさを長持ちさせてくれるのです。 3. 機能を付ける(快適性・付加価値) 最近の塗料は、ただ守る・色を付けるだけではなく、暮らしを快適にする機能がプラスされています。 例えば: ・ 遮熱塗料:太陽の熱を反射し、夏場の室温上昇を防ぐ ・ 断熱塗料:冬は室内の熱を逃がしにくくし、冷暖房効率をアップ ・ 防カビ・防藻塗料:ジメジメした環境でもカビやコケがつきにくい ・ 低汚染塗料:雨が汚れを洗い流してくれる「セルフクリーニング効果」 👉 これらの機能によって「電気代の節約」や「お掃除の手間を減らす」といった暮らしの快適さにもつながります。 まとめ このように塗料は、 家を守る鎧(よろい) 見た目を整える化粧 暮らしを快適にする機能 この3つの役割を同時に担っている、とても重要な存在です。 だからこそ、塗料選びは「見た目」だけでなく「耐久性」や「機能性」も意識することが大切なのです。 代表的な塗料の種類と特徴 外壁や屋根塗装で使われる塗料には、いくつかの種類があります。 選ぶ塗料によって、持ち具合・見た目・費用が大きく変わってきます。ここでは代表的な塗料を詳しくご紹介します。 1. シリコン塗料  耐久年数:約8〜12年  価格帯:中程度(コストパフォーマンス◎) 特徴 現在もっとも使われている定番塗料です。 価格と耐久性のバランスが良いため、初めての塗装でも安心して選ばれています。 外壁にも屋根にも幅広く対応でき、ツヤも出やすいので見た目も美しく仕上がります。 メリット ・ コストパフォーマンスが良い ・ 多くの施工実績があり安心感がある ・ 選べるカラーバリエーションが豊富 注意点 ・ フッ素や無機と比べると耐久性はやや劣る ・ 10年程度で再塗装が必要になる 👉 初めての塗装で迷ったら「シリコン」を選ぶのが無難、と言われるほど人気のある塗料です。 2. フッ素塗料  耐久年数:約15〜20年  価格帯:高め 特徴 フッ素塗料は紫外線に非常に強く、ツヤが長期間持続するのが特徴です。 耐久性が高いため、橋梁や大型ビルなど公共工事にも使われており、その性能は折り紙つきです。 メリット ・ 高い耐候性で紫外線や雨風に強い ・ 汚れがつきにくく、長期間きれいな状態を維持できる ・ 再塗装のサイクルが長く、長期的に見ればコストを抑えられる 注意点 ・ シリコン塗料より初期費用が高い ・ 職人の施工技術によって仕上がりの差が出やすい 👉 「長い目で見て塗装回数を減らしたい」という方におすすめです。 3. 無機塗料  耐久年数:20年以上(製品によっては25年近いものも)  価格帯:かなり高め 特徴 ガラスや石などの「無機物」を配合しているため、非常に強く劣化しにくいのが特徴です。 紫外線にさらされても分解されにくく、汚れも雨で自然に流れ落ちやすいため、美観を長く保てます。 メリット ・ 業界トップクラスの耐久性 ・ カビやコケが発生しにくい ・ 不燃性があり、火に強い特性もある ・ 再塗装までの期間が長いため、将来的なメンテナンス費用を抑えられる 注意点 ・ 初期費用が非常に高い ・ 柔軟性が低いため、下地のひび割れに追従しにくい場合がある 👉 「一度塗ったら長持ちさせたい」「何度も工事をしたくない」という方に最適です。 4. 遮熱・断熱塗料  耐久年数:10〜15年(製品による)  価格帯:やや高め 特徴 特殊な成分によって太陽光の熱を反射・遮断する効果がある塗料です。 屋根に使用すると室内温度の上昇を抑え、夏場の冷房費を節約できます。 また冬の暖房効率を高めるタイプの「断熱塗料」もあります。 メリット ・ 夏の室温上昇を抑え、冷房代を節約できる ・ 環境に優しい省エネ塗料として注目されている ・ 快適な住環境をつくれる 注意点 ・ 効果を十分に発揮するには、施工時の下地処理が重要 ・ 通常の塗料よりやや高額 ・ 効果の体感には地域や建物環境による差がある 👉 「夏の暑さに困っている」「電気代を抑えたい」というご家庭に人気の塗料です。 🎨 外壁・屋根塗装に使われる塗料 塗り達でよく使用させていただいている塗料をご紹介いたします 【外壁用塗料】 1. 水性セラミシリコン(エスケー化研) 種類: シリコン樹脂塗料 耐久年数: 8〜12年程度 特徴 ・ 水性で環境にやさしく、臭いも少ない ・ 防カビ・防藻性が高く外壁を清潔に維持しやすい ・ コストパフォーマンスが良く、初めての塗装にも人気 👉 バランスのとれた定番の外壁用塗料 2. エスケープレミアムシリコン(エスケー化研) 種類: 高耐候型シリコン樹脂塗料 耐久年数: 約12〜15年 特徴 ・ 紫外線に強い「ラジカル制御技術」を採用 ・ 長期間ツヤを維持し、美観をキープ ・ 耐久性とコストのバランスに優れる 👉 「長持ち」と「コスト」を両立したい方におすすめ 3. 水性クールテクトF(エスケー化研) 種類: 遮熱フッ素塗料 耐久年数: 約15〜20年 特徴 ・ 高い遮熱性能で外壁の温度上昇を防ぐ ・ フッ素樹脂により超高耐久性を実現 ・ 汚れが付きにくく、長期間美観を維持 👉 「長持ち」と「快適さ」を両立したい方におすすめ 4. 水性クールテクトSi(エスケー化研) 種類: 遮熱シリコン塗料 耐久年数: 約10〜14年 特徴 太陽光を反射し、外壁の温度上昇を低減 室内の冷房効率を高め、省エネ効果も期待できる 低汚染性で美観を長持ち シリコン塗料のため、価格と性能のバランスが良い 👉 遮熱性+コストパフォーマンスを重視する方に最適 5. プレミアム無機(エスケー化研) 種類: 無機塗料 耐久年数: 20年以上 特徴 ・ ガラスや鉱物成分を含み、非常に高い耐候性 ・ 紫外線や雨風に強く、色あせしにくい ・ 汚れが付きにくく、外観を長期間キープ 👉 「とにかく長持ちさせたい」方におすすめ 6. WBアートF(スズカファイン) 種類: 多彩模様仕上げ塗料(水性) 耐久年数: 約12〜15年 特徴 ・ 高意匠仕上げ(石材調・タイル調など)の表現が可能 ・ 2色〜4色の塗り重ねで、立体感と奥行きのあるデザインを実現 ・ 水性塗料で環境に優しく、低臭で施工しやすい ・ 高耐候性・低汚染性で美観を長期間保持 ・ デザイン性と機能性を両立 👉 高級感のある外観を演出したい方や、デザイン性を重視する方に最適 7. バイオマス無機GR(エスケー化研) 種類: 環境配慮型 無機塗料 耐久年数: 18〜22年程度 特徴 ・ バイオマス原料を使用し環境にやさしい ・ 高耐候性・低汚染性で外壁を長期に保護 ・ SDGsの観点からも注目されている塗料 👉 環境に配慮しつつ、耐久性も重視する方に最適 【屋根用塗料】 1. エスケープレミアムルーフSi(エスケー化研) 種類: 高耐候型シリコン樹脂塗料 耐久年数: 約12〜15年 特徴 ・ 屋根専用の高耐候シリコン塗料 ・ ラジカル制御技術により、紫外線による塗膜劣化を抑制 ・ 耐候性・耐久性に優れ、ツヤを長期間保持 ・ コストパフォーマンスが高く、バランスの良い選択肢 👉 「コストと耐久性の両立」を重視する方におすすめ 2. エスケープレミアム無機ルーフ(エスケー化研) 種類: 無機塗料 耐久年数: 約18〜22年 特徴 ・ 屋根に特化した超高耐久塗料 ・ 紫外線・熱に非常に強い ・ 長期にわたって色・ツヤを保持 👉 「長期的な安心」と「塗り替え回数を減らしたい方」におすすめ 3. クールタイトSi(エスケー化研) 種類: 遮熱シリコン塗料 耐久年数: 約10〜15年 特徴 ・ 高い遮熱性で屋根の温度上昇を抑える ・ 耐候性・防汚性にも優れる ・ コストパフォーマンスが高い 👉 「コストを抑えつつ遮熱効果を得たい方」におすすめ 4. クールタイトF(エスケー化研) 種類: 遮熱フッ素塗料 耐久年数: 約15〜20年 特徴 ・ 遮熱+フッ素の組み合わせで超高耐久 ・ 屋根の高温化を防ぎ、冷房効率を改善 ・ 汚れが付きにくく、美観を維持 👉 「遮熱効果と美観維持、そして高耐久性をバランス良く求める方」におすすめ 5. プレミアム無機ルーフ遮熱(エスケー化研) 種類: 遮熱無機塗料 耐久年数: 20年以上 特徴 ・ 遮熱効果で屋根の温度上昇を抑制 ・ 無機成分による超耐久性 ・ 美観を長期に保ちつつ、省エネ効果も期待できる 👉 「最高レベルの耐久性と省エネ効果を重視する方」におすすめ 塗料選びのポイント 「どの塗料を選べばいいの?」と迷う方は多いと思います。 塗料は種類ごとに性能や価格、耐久性が異なるため、ご家庭のライフスタイルや住まいの環境に合わせて選ぶことが大切です。 以下の3つの視点をチェックしてみましょう。 1. 予算と耐久性のバランス 短期的コスト重視  できるだけ出費を抑えたい場合は、シリコン塗料が人気。8〜12年程度の耐久性があり、コスパが良い選択肢です。 長期的コスト重視  「一度の工事で長く持たせたい」と考えるなら、フッ素塗料や無機塗料がおすすめ。     初期費用は高くても、20年以上持つ場合もあり、トータルコストを抑えられます。 👉 「10年ごとに塗り替えるのか、それとも20年以上持たせたいのか」を考えると、自ずと選択肢が絞れます。 2. 家の環境(立地・気候条件) 海沿いの住宅  塩害による劣化が早いため、耐久性の高いフッ素・無機塗料が適しています。 日当たりが強い地域  紫外線による色あせや塗膜劣化が進みやすいため、遮熱塗料や高耐候性の塗料を選ぶと安心です。 雪や雨が多い地域  屋根や外壁が常に湿気にさらされるため、防水性・防カビ性・低汚染性に優れた塗料を選びましょう。 👉 立地条件を無視すると、想定より早く塗料が劣化してしまう可能性があります。 3. 機能の必要性(快適性・美観維持) 遮熱・断熱効果  夏の暑さ対策や冷暖房費削減につながるため、室内環境を快適に保ちたい方におすすめ。 低汚染性・セルフクリーニング機能  雨で汚れを洗い流す機能や、ホコリが付きにくい機能があると、美観を長く維持できます。 デザイン性  単色ではなく、天然石調や多彩模様を表現できる塗料(例:WBアートF)を選ぶと、外観の印象を大きく変えることができます。 塗料選びは「予算」「立地環境」「求める機能」の3つを基準にすると失敗が少なくなります。 ご家庭のライフスタイルや住宅の条件に合わせて、最適な塗料を選びましょう。 パターン別おすすめの塗料選び 塗料を選ぶときは、ご家庭の考え方やライフスタイルによって最適な選択肢が変わります。 ここでは代表的なケースごとにおすすめの塗料を紹介します。 ✅ コスパ重視タイプ 「とにかく初期費用を抑えたい」「10年ごとに定期的に塗り替えるのでもOK」という方には… シリコン塗料がおすすめ  → 価格と耐久性のバランスが良く、最も一般的。将来リフォーム計画がある場合にも柔軟に対応できます。 ✅ 長持ち重視タイプ 「できるだけ塗り替え回数を減らしたい」「将来的に建て替え予定はない」という方には… フッ素塗料や無機塗料がおすすめ  → 初期費用は高めですが、耐久性15〜20年以上で、結果的にメンテナンスコストを抑えられます。 ✅ 快適さ重視タイプ 「夏の暑さや冬の寒さを緩和したい」「光熱費を下げたい」という方には… 遮熱塗料・断熱塗料がおすすめ  → 外壁や屋根の温度上昇を抑え、室内環境を改善。特に西日や直射日光が強い家に効果的です。 ✅ デザイン重視タイプ 「外観の印象を変えたい」「ワンランク上の仕上がりにしたい」という方には… 多彩模様塗料(例:WBアートF)がおすすめ  → 高級感のある石調仕上げやデザイン性の高い外観に仕上げられます。 塗料メーカー比較 5選 塗料はメーカーによって性能や特徴が大きく異なり、耐久性やデザイン性、省エネ効果まで幅広いバリエーションがあります。 日本国内で信頼されているおすすめの塗料メーカーを5社ご紹介します。 ぜひ塗料選びの参考にしてください。 1. エスケー化研(SK化研) 特徴  ・ 建築仕上げ塗材の国内シェアNo.1クラス ・ 「エスケープレミアムシリーズ」「クールタイトシリーズ」など人気商品多数 ・ 耐久性・遮熱性に優れ、コストパフォーマンスも高い 👉 「コストと性能のバランスで選びたい方」におすすめの塗料メーカー 2. スズカファイン 特徴 ・ 意匠性の高い塗料が豊富でデザイン重視に最適 ・ 「WB多彩仕上工法」で石材調や高級感ある仕上げが可能 ・ 防水性や耐候性も兼ね備え、美観と機能性を両立 👉 「外壁のデザイン性を重視したい方」におすすめの塗料メーカー 3. アステックペイント 特徴 ・ 遮熱・防水機能に特化した高性能塗料 ・ 「超低汚染リファインシリーズ」は汚れに強く人気 ・ 省エネ効果が期待でき、耐久性も抜群 👉 「長持ちする塗料」や「遮熱・省エネ効果を重視する方」におすすめの塗料メーカー 4. 日本ペイント 特徴 ・ 日本を代表する老舗メーカーで信頼性が高い ・ 100年以上の歴史と世界トップクラスのシェア ・ 「パーフェクトシリーズ」「ファインシリーズ」など高品質な商品が豊富 👉 「信頼性重視」「失敗しない塗料選びをしたい方」におすすめの塗料メーカー 5. オスモアンドエーデル(OSMO & EDEL) 特徴 ・ ドイツ発祥の自然素材塗料メーカー ・ 植物油やワックスをベースにした木部専用塗料 ・ ウッドデッキや木製外壁、自然素材住宅に最適 👉 「自然素材志向」や「木部の仕上げにこだわる方」におすすめの塗料メーカー まとめ 🎨塗料の選び方で家の寿命が変わる! 外壁や屋根の塗装は「家をきれいにするための工事」と思われがちですが、 実際には 住まいを守り、寿命を延ばすための大切なメンテナンス です。 塗料には「シリコン」「フッ素」「無機」「遮熱・断熱」などの種類があり、 それぞれに価格・耐久性・機能の違いがあります。 コスト重視なら → シリコン塗料 長持ちさせたいなら → フッ素塗料・無機塗料 快適性をプラスしたいなら → 遮熱・断熱塗料 外観にこだわるなら → 多彩模様仕上げ塗料 外壁塗装や屋根塗装で使用する塗料は、メーカーごとに強みや特徴が異なります。 バランス重視 → エスケー化研 デザイン性重視 → スズカファイン 耐久性・省エネ重視 → アステックペイント 信頼性重視 → 日本ペイント 自然素材志向 → オスモアンドエーデル 👉ご家庭の暮らし方・住まいの環境・ご予算 に合わせて選ぶことが大切です。 「どれが我が家に合うのか分からない…」という方もご安心ください。 ご相談いただければ、現在のお住まいの状態を確認し、最適な塗料をご提案いたします。 大切なのは、見た目だけでなく 家を長く快適に守るために“暮らしに合った塗料”を選ぶこと。 これが、外壁・屋根塗装を成功させる最大のポイントです。

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