アスベストとは? 危険性や塗装工事との関係を解説 l塗り達
2023年11月19日 公開
この記事では、アスベストについて解説しています。
アスベスト(石綿)は、天然の繊維状けい酸塩鉱物で、非常に細かい繊維です。
建築部材の材料として広く使われていましたが、研磨機や裁断機で繊維が飛び、人体に入るとじん肺や中皮腫などの健康被害が出ることから、平成18年に製造・販売・使用が全面禁止されました。
アスベストが使われている場所
現在は、製造や使用が全面禁止されているものの、禁止以前に作られた製品については撤去の義務がないため、まだまだ現役で建築部材として残っている場所があります。
(出典:国土交通省 目で見るアスベスト建材 第2版 より抜粋)
戸建て住宅では、
屋根材
外壁材(サイディング)
煙突
壁紙
床材
石膏ボード
などにアスベスト含有の商品があります。
アスベストを混ぜると、素材自体の強度が増し、耐久性がアップするため頻繁に使われていました。
そして耐久性の高さが今日までアスベストの屋根材などが現役で残っている理由にもなっています。
ビルやマンションなどRC造の建物では、断熱材として吹き付けて使用したり、コンクリートに混ぜて使われている例が多く、戸建て住宅よりも含有率が高くなっています。
アスベストによる健康被害
アスベストは、非常に細い繊維で裁断機や研磨の際に繊維が飛び散り、人体に吸い込むと、じん肺や中皮腫の誘発することがわかっています。
じん肺とは、金属やの粒や土埃などを長期間大量に吸い込むことで、肺が線維化し硬くなってしまう病気です。線維化すると弾力が失われ肺組織が破壊されるため、咳・息切れ・痰が増えるなどの症状を訴え、進行すると呼吸困難を引き起こします。いったんじん肺にかかってしまうと、作業をやめても肺機能は回復せず進行し続ける疾患です。
中皮腫は、中皮細胞から発生する悪性腫瘍で、希少がんの1つです。発病の原因の1つにアスベストがあげられています。
アスベスト含有の屋根材や外壁材は塗装できる?
アスベストを含む屋根材や外壁材は、劣化が著しくない限りは塗装することは可能です。
現状、住宅などに使われているアスベスト含有の製品については撤去の義務はないため、使い続けることも可能です。
劣化が激しい場合は葺き替えや貼り換えなどを検討する必要があります。
アスベストの撤去費用
アスベスト含有製品の撤去義務はないものの、メンテナンスを機に撤去してしまいたいという方もおられます。
また住宅の解体時にアスベストが含まれている場合は、粉塵をまき散らさないように特殊な方法で撤去を行います。
アスベストの撤去には別途費用が掛かりますので、葺き替え等を検討されている場合は、
葺き替え費用+アスベスト撤去費用 が必要です。
アスベストの解体費用の相場は、1㎡あたりおよそ10,000円~85,000円ほどといわれます。
京都市では、アスベストの調査・除去に関して補助金の情報を掲載しています。
https://www.city.kyoto.lg.jp/tokei/page/0000267922.html
<厚生労働省>
吹き付けアスベスト・アスベスト含有吹付けロックウールに限られていますが、厚生労働省がアスベストの調査・除去について補助金の情報を掲載しています。下記よりご参照ください。
補助金制度については、年度や自治体により取り扱いが異なります。必ず自治体のHPなどで確認しましょう。