屋根塗装とカバー工法 それぞれのメリット・デメリット比較まとめ
2025年12月18日 公開
屋根のメンテナンス方法として、塗装工事や屋根工事があります。
どちらも適切な時期に行うことで、屋根やお家を長く丈夫に使うことができますが、2つの違いやメリット・デメリットについて知っていると、より選びやすくなります。
今回は屋根塗装と、屋根工事の中でもカバー工法について、2つの比較をしてみたいと思います。
屋根塗装工事とは
屋根塗装工事とは、屋根材の表面の塗膜を塗り替える工事の事です。
屋根材の表面は塗膜でおおわれ、屋根材自体に防水性がない場合でも、雨をはじいて屋根材や屋根全体を守っています。
この塗膜は紫外線により劣化するため、元々薄い塗膜はさらに薄くなったりはがれたりして雨や紫外線から屋根材を守る膜がなくなってしまいます。
そのまま放置すると、屋根材自体が使えないほど劣化してしまうため、定期的に塗膜を塗り替える必要があります。
この塗り替え工事を塗装工事と言います。
塗り替えの時期は、使っている塗料によって異なります。
例えばシリコン塗料であれば、耐久年数はおよそ10年なので、10年ごとに塗り替えが必要です。
メリット
塗装工事は、屋根のメンテナンス工事の中でも手軽で比較的安価でできる工事です。
屋根材自体がまだ使える状態であれば、塗膜を塗り替えるだけでさらに耐久性がアップします。
また色を変えることができるので、自分好みの外観にチェンジしたり、外壁とセットで塗装するとまるで新築に戻ったように美観性をアップさせることができます。
デメリット
塗装工事はあくまで塗膜をつけなおす工事なので
- 屋根材がない
- 破損している
- 屋根材自体の劣化が激しい
等の場合は塗装工事では補修することができません。極端な例でいえば、なくなっている屋根材を塗装工事で復活させることはできないということです。適切な時期に行うことで真価を発揮しますので、劣化が進行しすぎると塗膜をつけなおして長くは持たないでしょう。
また屋根材によっては塗装工事ができない者も存在します。この場合も塗装工事は行うことができません。
▶塗装できない屋根材について詳しくはこちら
また塗装工事を行う場合は、大前提として塗膜がついている屋根材であることが条件になります。そのため、釉薬がかけられている日本瓦のような塗膜がないタイプの屋根材では、塗装工事は行いません。
屋根のカバー工法とは
屋根のカバー工法とは、既存の屋根材の上から新しい屋根を葺く工事です。

既存の屋根の上から野地板やルーフィングシートを敷き、新しい屋根材をのせます。
メリット
屋根が古い屋根と新しい屋根の2枚分になるため、防音性や耐熱性が増すというメリットがあります。
また同じ屋根工事の中でも葺き替え工事に比べて、工期が短く費用も比較的安価で済むため、手軽に屋根を新しくしたい方にはメリットが大きい工事でしょう。
デメリット
屋根が2枚分になるため、重量も2枚分になり、躯体に負荷がかかりやすくなります。
また、元々の屋根がフラットでないと新しい屋根材を葺けないため、どんな屋根でも施工できる方法ではない点にも注意が必要です。
2つ工事の共通点と違い
屋根塗装工事とカバー工法は、どちらも屋根の耐久性をアップさせることができる工事です。適切な時期に行うことによって、最も費用がかかる屋根の葺き替え工事を行なわなくてもリフォームが可能です。
塗装工事もカバー工法も、どちらも日本瓦には適さないメンテナンス方法です。日本瓦は塗装の必要がなく、また凸凹しているためカバー工法は施工できません。
また、どちらの工事でも、雨漏りの補修工事にはならないため、もし雨漏りしているようであれば別の方法でメンテナンスを行う必要があります。
▶雨漏りに関する屋根の工事についてはこちらもご覧ください。
塗装工事とカバー工法の違いは、施工する業者が違う=専門性が異なる点です。
建設業法で定められた専門工事の分類の中でも明確に分かれていますので、塗装工事は塗装職人が、カバー工法は屋根工事を行える職人が行います。
そのため、塗装工事の職人がカバー工法を行うことはありませんし、逆も同じです。工事を依頼する際は専門業者に依頼しましょう。















